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ばかみたい。電話しちゃった。話した。
彼女が居るってさ。4ヶ月も前から。

やっと訊けた、あのとき、わたしをおいていった理由、

どのタイミングだって、君はどうせ落ちていく、駄目になるだろう、
なら、いつ言ったって同じ。僕に、君を助けるだけの器はなかった。

それってつまり、

僕には君は助けられない、だけど、一緒に落ちるつもりも、ましてや死ぬつもりもない、
だから、ひとりで死んでよ。

って、そういうことだよね。なんだかんだ言ったって、逃げただけじゃん。
助けることが出来ないからって、わたしが掴んでいた手を、振りほどいて、
突き落としただけじゃん。
なんだ、笑っちゃうな。好きとか嫌いとか、ハナからそんなレベルの話じゃなかったんだ。
死ねって、言われてたんだ。わたし。気づかないなんて、ホント、嫌になるほど、ばかだよね。
迎えに来てくれるわけないじゃん。彼女居るんだもん。倖せなんだもん。わたしなんか、人生のエキストラ。名前すら与えてもらえない。
なのに、ずっと期待してて、ホント、虫唾が走るくらい、道化。
私の気持ちなんか、ちっともわかってないくせに。やっぱり何でもわかったみたいに。
何にも、わかってないくせに。
わたしがどんな気持ちで一年以上、過ごしてきたか。4月のあの日を過ごしたか。
救急車で、閉鎖病棟で、死ねない毎日で、それでも生きようと頑張ったことも。
一緒に居られる未来が、少しでも可能性があるのなら。迎えに来てくれたときに、弱ってちゃ駄目だ。強くなろう。強くなろう。そうやって、此処まで来たことも。
いつか迎えに来てくれるかもしれないって、期待を抱き続けてきたことも。なにもかも。

もうとっくの昔に、なんの意味もなくなっていたんだ。

玄関で別れたあの日から。いや、その2日前。
ひとりで死ねって、言われた日から。はじめから、希望なんかカケラも、ありはしなかった。
ばかみたい。
死にたいよ。
惨めで、情けない。

セックスなんてさ、感情なんかなくても出来るんだ。
あの人と、幸福感の得られないセックスだって、平気だよ。別に痛いわけじゃないし、気持ちいいし。
背徳もリスクも、なんだって背負えるよ。そんなもの、平気。

彼氏なんか出来ると思う? 待ってたんだよ? ずっと。ずっと。
無駄なこと、してたんだね。ばかみたいだよね。

倖せになってたんだもんね。倖せになればいいなって思ってたよ。私の倖せなんか要らないから、倖せになってって。わたしが奪った時間を、何処かの誰かと取り戻して。
倖せになって。
だけど違うんだね。
いざ彼女が出来たって訊くとさ、駄目になればいいのにって、思ってしまう。
わたしが苦しんでいる間に、わたしがひとりで口約束に縛られていた間に、他の子のことを考えていたなんて。
私の苦しみの届かないところで、倖せに笑っていたなんて。
何だか凄く、悔しい。
苦しいのも哀しいも、しんどいのも、記憶に縛られ続けているのは、わたしひとりだったんだ。
灰色の世界で、冷たい雨のなかで。
わたしははじめから、ひとりきりだったんだ。なのに、錯覚してた。ひとりじゃないって。
はじめからひとりだったのに。誰も側になんか居なかったのに。
ひとりだったのに。

だから、死んでやろうと思ったんだ。
私の死が届かない場所で、倖せに暮らせばいいって。
でも怖かった。屋上のフェンスなんかあっさり越えられちゃって、死ぬことなんか、本当に本当に、簡単なことで。
なのに、怖かったんだ。死ねなかった。


こういうとき、相乗効果っていうのは、本当にある。
結局、あの人とも、駄目になるんだろうな。
ずっとずっと、こういう気持ちを抱いていたんだって。言わなくてもいいこと、言っちゃったから。



ひとりでいいよ。
世界が壊れるくらいにすきだったひとに、ひとりで死ねって、言われてたんだから。
ひとりじゃないって、教えてくれた人が、わたしをひとりにして、わたしははじめから、ひとりきりで。
ひとりでいいよ。
信じない。なんにも。なにもかも。
# by haluki_ito | 2006-08-12 21:38

あの番号でも、まだ通じるんだな。
知らなくてもよかったのに、知っちゃったよ。
番号変えてたら、つながりたくてもつながれなくて。完全に途切れてたのに。

彼女居るのかなぁ。
倖せなのかなぁ。
倖せだったらいいなぁ。


ホント、わたしって、変態だ。キモイ。最低。死ねば良いのに。
# by haluki_ito | 2006-08-12 14:29

自分が、心底キモチワルイ。
夢に彼が出てきて、声を聴いて、顔を見て、手を握った。
そんな夢にほだされて、電話をかけた。
眠そうな声。「間違えました」と電話を切る。
足が震えた。手が震えた。心臓が壊れてしまったみたいに、はやがねを打つ。
とんだ変態じゃないか。こんなの。

一切の連絡を取らなくなって、8ヶ月の我慢はなんだったんだ?
最後に会って、1年と3ヶ月、この期間はなんだったんだ?

もう会えないのに。会わないのに。会ってくれるわけがないのに。
苦しいのはわたしだけ? こんなにも恋しいのはわたしだけ?
どうせ私の声なんか覚えてない。私の顔も、覚えてない。

こんなに苦しいなら、記憶なんか要らないんだ。
綺麗な思い出なんか要らないんだ。
わたしのことなんか覚えてない。わたしのことなんか、覚えてるわけがない。


このままどれだけの間、こんな気持ちを抱いていけばいい?
一生、忘れられないのなら、人生なんか要らない。

あの人と寝るのに。あの人のことを好きになれば良いのに。
好きになれないで、彼のことばかりで。
誰も倖せになんかなれない。

誰も好きになれないのかなぁ。やだなぁ。
もう触れることすらできない人のことを、思い続けたって、何の意味もないのに。
迎えになんか、来てくれるわけがないのに。
期待したって、無駄なのに。
たった5ヶ月の記憶に、どれだけ振り回されればいいんだ。


もう一度会いたい。恋人になってくれなくて良い。
もう一度側に居たい。躰が触れ合う距離に居られれば、心なんて求めないから。
友達で良いから。

この気持ちを殺すには、わたしが死ぬしか、ないんだろうか。
# by haluki_ito | 2006-08-12 12:56

私は死ぬまできっと、彼のことを忘れられないのだろう。

消してないメールが受信箱に残っていた。パソコンの方。携帯は、メモリすら消してしまって、やけに覚えやすい番号は今でもそらでいえるけど、アドレスはもうわからない。
彼が打ったというだけの、活字の文字。
声も感触も、もうぼんやりとしか、思い出せなくなってきた。顔だけは、まだしっかり覚えてるのに。
たった2行、最後のメール。なんでもないような、困った表情が浮かぶような、簡素なメール。
私が生きてきた21年の間で、これほどまでに、誰かを求めたことはなかった。そして同じように、これからの人生で、あれほどまでに誰かを求めることは、もうない。
なんでだろう。忘れたいのに。
何も残らなくてよかったのに。感情ばっかり、ずっとずっと、残り続けている。
苦しい。
鎖骨の間の、少し下。今でも残る、息苦しさ。雨の冷たさと、お湯の熱さと。灰色の世界。

あんなにも好きだったのに。あんなにも愛していたのに。
彼が私のことを好きでいてくれたら、ただそれだけで、他に特別なものなんて、望まなかったのに。

そんなものは、永遠に、届かない願い事。
死ぬ前にせめて一度だけ、もう一度だけ、会いたい。なんて、とんでもない、わがまま。
# by haluki_ito | 2006-07-31 15:49

どーしてこうなるんだ。
愉しくやりたかっただけなのに。
あの人の言うことは正しい。酷いのは私だ。
わかってるよ。わかってるから。
自傷するにしても、しないにしても、
あの人と旅行に行って帰ってくるまではしないよ。
でもそのあとは自由だ。文句なんか言わせない。関係ないもの。
そしたら、誰にもわかんない。
医者にだって、私が言わなきゃわかんない。
ほっといてくれ。誰も要らないよ。必要ないんだ。
何もいえないんじゃない。何も言わなくなっただけ。
いいよ。
あの人と再会してから、こういうつもりだったんだから。
いつかちゃんと、こうしなくちゃいけないって思ってたんだから。
ちょっと先手打たれたからって、泣いてたんじゃ仕方ない。
# by haluki_ito | 2006-06-22 21:22